プログラミング学習が始まってから3か月も経てば初心者向けの学習も後半に入っていると思います。この時期には学習と並行して転職活動を見据えての行動が必要となります。
【心の準備】かなりの確率で書類選考で弾かれます
私もそうでしたが、30代後半未経験でITエンジニアを目指したときの最初の壁が「書類選考が通らない」ことだと思います。私は転職サイトで60件以上未経験採用案件に応募した時には、すべて書類選考落ちし、面接にも進めずITエンジニア転職を諦めかけたこともありました。
また職業訓練校の同じクラスのメンバーには20代~40代が幅広く在籍していましたが、卒業までに内定が決まっていた人は皆20代の若い人たちでした。30代以上のメンバーは一人も内定が出ていませんでした。
これは会社側の立場で考えてみてもそうなるのは当然で、同じ未経験であれば若い子を採用したいと思うはずです。
30代後半では面接まで漕ぎつけること自体がハードル高いと思いますので、書類落ちは当然と覚悟を決めて転職活動に取り組んでいきましょう。
どんな会社に転職する?
ITエンジニアとして転職する際に「正社員として開発会社に就職する」「SESに就職して客先在中で仕事をする」「派遣会社に登録して仕事を探す」といった選択肢を考えると思います。
ここで30代後半未経験の方が現実を見なければならないことがあります。それは「会社や雇用契約形態を選んでいる余裕はない」ということです。
本来の転職活動であれば「勤務条件のよい会社を選ぶ」「年収が上がる会社を選ぶ」「自分のやりたいことに近い会社を選ぶ」といったことを考慮して活動したいところですが、30代未経験という時点で企業側からは雇いにくい条件であるのに、それにプラスして条件を付けるとますます採用側のハードルが上がってしまうと思います。どうしてもこれらの条件を含めたい場合は、「年収が大幅に下がることを覚悟し、やりたいことに近い会社を選ぶ」「できる限りスタート時点の年収を上げたいので、今までの業務経験を活かしたITエンジニアを目指す(※)」といったアプローチを考えることになると思います。
(※例えば元タクシードライバーが、タクシー関連のアプリを開発している会社にに就職し、自身の経験をアプリの機能に反映することができる。という感じで選ぶことです)
もちろん転職活動のなかで希望する条件に一つでも多く当てはまる企業があり、そこに就職できることは幸せなことだと思います。但し、現実はそんなに甘くないことを踏まえた上で活動していきましょう。
ただし仕事内容はしっかり吟味してください
「会社や雇用形態を選んでいる余裕はない」と前述しましたが、仕事内容についてはしっかり吟味する必要があります。何故なら最初に行う仕事内容は今後のキャリアに影響を与えるからです。
SESの案件でなぜか工場勤務になって作業ラインで商品の組み立ての仕事をする、といった話を聞いたことがあります。例えばWEBデザイナーになりたいのにこの様な仕事に携わってしまった場合にはどうなるでしょうか。貴重なキャリアのスタートが、自分のやりたい仕事から遠く、将来への繋がりの無い仕事であれば、ITエンジニアのキャリアとして積み上がるものがないまま時間が過ぎていきます。
逆にテスターや雑務からのスタートであっても、WEBページの作成を行っている会社の仕事に入ることができれば数か月後には初歩的なWEBデザインの業務が回ってくるかもしれません。
そのため、「この会社の業務は自分のキャリアの一歩目として積むことができるか」という点をみて仕事を選んでいきましょう。
※参考までに私の派遣先を決める過程で出た仕事内容を一例お話します。最初の派遣案件では開発会社とお客様(法人企業)とを結ぶコールセンターの業務案件が入りました。これは電話でお客様からの問い合わせを私が受け、それを私の答えられる範囲で答え、難しい場合は開発会社にエスカレーションするような業務とのことでした。取り扱い商材がいくらITに関係するものとはいえ、バックエンドエンジニア方面で活躍していきたいと考えていた私からすれば、電話対応だけでは実務レベルのIT技術を積むことができず、明らかに今後のキャリアに繋がらないと考えました。
そこで私は担当営業に、「私の思い描くキャリアの道すじから外れている仕事内容の印象があり、もし仮にこの案件に入ってもITエンジニアとして積み上げられるキャリアは無いように思える」と率直に話をし、辞退する方向で進めることをお願いしました。
その後、開発会社の案件に派遣として入ることができ、主にJavaを使用した業務(現時点ではテスターと機能追加改修業務)に携わることができました。この経験から勇気をもって案件辞退することも大切だと思いました。
自分のなりたいビジョンをしっかりイメージして転職活動しましょう
会社を選ぶ前に、ITエンジニアとしてのキャリアを思い描く必要があります。あなたは3年後にどのような業務を行うITエンジニアになりたいでしょうか。
WEBデザイン・Java開発・ネットワーク監視といった業務はすべてIT系の仕事に属すると思いますが、方向性はかなり異なります。自分の進みたい方向の軸が決まっていないと、仕事内容が合わないものであったり、面接での受け答えでもブレが生じる可能性がありますので、本格的な転職活動に入る前にどのようなITエンジニアになりたいのかしっかり考えておきましょう!